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2022.03.24

こんにちは!作業療法士の加藤です。

今日は、ホームページの動画にもご協力いただいているお子様のお話をさせて頂きたいと思います。

自閉症スペクトラム疑いと診断されており、歩行は可能ですが片足立ちで時折、バランスを崩される様子が認められていました。現在は、バランス能力も向上し、上手に片足立ちができる場面も増えています。しかし、お母様にお話を聞くと下校中に転んでしまうことがあるとのことでした。

屋外での歩行は微妙な路面の凹凸や傾斜、地面の素材(アスファルトか砂地か砂利か)など、無意識に様々な感覚情報を取り入れてバランスを調整しています。このお子様は、そのような感覚情報に基づいたバランスを取ることに課題があることがリハビリを通じて確認することができました。もちろん、リハビリでもそのような練習を行っていますが、もっと練習機会を増やしたい・・・。

しかし、お子様が学校から帰ってくると、お母様は、子供の宿題や勉強を見て、洗濯の片づけ、夕飯の用意、夕飯の片づけ、子供をお風呂に入れて、下の子のお世話もして・・・。とお子様が就寝するまで分刻みのスケジュールで、自主練習の時間を確保するのはとても現実的ではありませんでした。そこで、お子様が自分で自主練習を出来ないかご家族様と相談し、出来上がったのがこちら。

足つぼマッサージのマットような物をイメージして頂ければいいかと思います。材料はすべて100均とご自宅にあった物で作られています。ご両親と妹さんとご本人様でお制作感覚でみんなで作りました。硬いもの、柔らかいもの、あえてつるつるした素材のもの、沢山の素材を使っています。

これをふみふみ・・・。もともと足の裏の筋肉も弱くて偏平足ぎみでしたが、土踏まずの部分が少しできてきました。転ぶ頻度も減ってきたようです。

そしてもう一つ、うれしい効果が!このマットをふみふみすると、お子様がとっても落ち着くんです!

今まで宿題が難しかったり、苦手なことがあると、お子様がイライラしてしまい、課題に取り組めるようにお子様の気持ちを持っていくことがとても大変だったそうです。

しかし今では、「あー!イライラしてきた!ちょっとマットふみふみしてくる!」とお子様自ら、自分を落ち着かせるツールとしても使用してくれるようになりました。

「これをすれば落ち着くんだ」ということが分かったおかげで、ご本人様・ご家族様ともに「以前より気持ちに少しゆとりができた」と、うれしいことをおっしゃってくださいました。

これからも、身体機能面だけでなくご本人様・ご家族様の気持ちに寄り添ったリハビリができるように頑張りたいと思います。

★コラムの掲載にあたり、ご本人様・ご家族様に了承を得ています


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