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筋トレの話の記事一覧

筋トレの話②

2022.03.17 | Category: 筋トレの話

皆さん、こんにちは。本日は筋トレの話、第二弾です。前回は筋トレの目的は、筋肥大筋肉を大きくする【筋肥大】と筋力を強くする【筋力強化】の2つがあり、どちらを目的にするかでトレーニング内容が変わること、【筋肥大】の方法についてお話させていただきました。

運動の強度が小さくても筋トレの回数・セット数を多することで、高強度の運動と同じ総負荷量にすれば、【筋肥大】は可能ですよー。ということでした。今回は【筋力強化】についてお話させていただきます。

【筋力強化】

文字通り、筋力を強くすることです。

先に結論を言いますと、「筋力増強は高強度トレーニングあるのみ!」です。アメリカのスポーツ医学会でも、筋力増強の効果を最大化するには「高強度トレーニングが推奨される」と答えています。では、なぜ筋力強化には、高強度トレーニングなのでしょうか?その理由も含めて、筋力強化に必要な3つのポイントをお話しします。

①筋肉の「サイズの原理」

脊髄(せきずい)から伸びる運動神経はいくつかの筋繊維と繋がり、筋肉の収縮をコントロールしています。(図1)このひと繋がりのユニットを「運動単位」と呼びます。

図1

運動単位は1つの神経が数十本の筋繊維を支配する「小さな運動単位」と数百本から数千本の筋繊維を支配する「大きな運動単位」があります。筋肉は小さな運動単位から優先的に動員されるので、弱い負荷量ですと「大きな運動単位」は動員されません。しかし、強い力を発揮させるためには大きな運動単位も動員して収縮させることが絶対条件になります。その為、筋力強化には「大きな運動単位」が動員されるだけの負荷が必要となります。

②運動単位の同期

さきほど述べたように、筋肉には「小さな運動単位」から「大きな運動単位」があります。大きな運動単位を動員させてもそれぞれの運動単位がバラバラに働いていると、強い力は生まれません。強い力を発揮させるには、同じタイミングで収縮させることが重要になります。これを「運動単位の同期」といいます。強い力を発揮するには運動単位の同期が必要です。

③神経活動の発火頻度(レートコーディング)

もう一つ強い力を発揮する上で重要なのが、神経活動の発火頻度です。神経活動の発火頻度を高めれば、多くの運動単位が同じタイミングで動員され、強い筋力が発揮できるようになります。

 

ほぼ未経験の高強度トレーニングを繰り返していると、脳の中では神経活動の発火頻度が高まり、複数の運動単位を動員・同期して強い力を発揮するように神経ネットワークを再構築していきます。これが、神経活動の適応による筋力増強のメカニズムです。

「よし!じゃあ、今日から負荷を強くしてバンバントレーニングしよう!」と思った方!ちょっと待って下さい!

前回のコラムでもお話しましたが、高強度トレーニングは怪我のリスクがつきまといます。また、連合反応の増悪などよくない影響も考えられます。普段の臨床場面でも、自己流の筋トレをされていて変な癖がついてしまい、せっかくお持ちの潜在能力が阻害されている・・・。癖を治すのに時間がめちゃくちゃ掛かる・・・。なんて方もたびたびお会いします。非常にもったいない・・・。

怪我を予防しつつ、適切に筋力を強化する為に必要なのが「正しいフォーム」です。皆様の中で、歩く姿勢を間違ったフォームから正しいフォームに矯正したら、逆に歩きにくくなったという経験がある方はいらっしゃいませんか?これは神経活動が間違ったフォームに適応していたからなんです。正しいフォーム・間違ったフォームでは使われる筋肉や神経活動のネットワークが異なります。正しいフォームに神経を適応させつつ、怪我をしない・連合反応が出現しない範囲の運動強度を探っていく必要があります。なかなか自分では難しいことですので、是非、私たちに相談して下さい。

最後にもう一つ、筋力強化について面白い話があります。それは「イメージトレーニングだけで筋力が上がる」というものです。イメージをすることで脳の運動の指令を出す運動野という場所と脊髄の神経活動が増加するからです。10%程、筋力が増加しますが、イメージだけでは翌日に元の筋力に戻ってしまいます。ですので、運動をイメージしてからトレーニングやリハビリをする、イメージ+実際の運動が効果的だと思います。

以上、長くなりましたが筋トレのお話でした★

しつこいかも知れませんが、くれぐれも自己判断で高強度のトレーニングはなさらないで下さいね!

加藤でした

筋トレの話①

2022.03.06 | Category: 筋トレの話

皆さん、こんにちは。暖かい日が段々と多くなってきましたね。私は花粉症にやられています・・・。

実は、私はひどいアレルギー体質でして、この時期は花粉症・喘息・気温差による免疫の低下からの体調不良・・・。毎年しんどい時期でもあります。

体調を整える為、運動を増やすように心がけています。しかし、この時期は花粉地獄なので、屋外で運動すると鼻づまり・目の痒みがひどいことに・・・。ですので、屋内でできる筋トレを中心に頑張っています。(最近さぼり気味ですが・・・。)

そこで、今日は筋トレについてお話したいと思います。

スポーツ科学の分野では筋トレの目的は大きく2つに分けることができます。

・筋肉を大きくする(筋肥大)

・筋力を強くする(筋力増強)

どちらを目的にするかによって、トレーニングの方法・内容は大きく変わります。それぞれの方法を簡単にまとめたいと思います。

 

【筋肉を大きくする(筋肥大)】

従来の筋トレの常識では、筋肉を大きくするためには、重いダンベルやバーベルを使うような高強度トレーニングが最も効果的な方法だと言われてきました。実際、「筋トレ」と聞くとダンベルなどで強い負荷をかけて運動をするイメージを浮かべた方は多いと思います。

しかし、身体への負担が大きい高強度トレーニングは筋トレの初心者、未経験者、高齢者にとっては負担が大きくなります。脳卒中の片麻痺の方にとっても、身体に合っていない高強度なトレーニングは、痛みの原因や連合反応の増大、運動方法の誤学習など良くない影響が出てしまう可能性が十分にあり得ます。

ところが近年、低強度なトレーニングでも、条件を満たせば高強度トレーニングと同等の効果が得られることが分かりました。条件とは以下の通りです。

・総負荷量を高める

・総負荷量は 運動強度×回数×セット数 で決まる

 

どいうこと???。説明します。

運動の総負荷量は運動強度×回数×セット数で決まると言われています。その根拠の一つとなったのが、2010年、カナダのマクマスター大学での報告です。

90%の高強度でトレーニングを行うグループと30%の低強度でトレーニングを行うグループに分け、疲労するまでトレーニングを行わせました。

90%のグループのトレーニング回数は5回、30%のグループのトレーニング回数は24回となり、総負荷量は90%のグループは710Kg、30%のグループは1073Kgとなりました。筋たんぱく質の合成率は総負荷量の大きな運動強度30%の低強度グループの方が高い増加を示しました。

つまり、低強度の運動でも回数やセット数を多くすれば、高強度のトレーニングと同等の効果が得られるということです。高強度な運動は、やはり怪我のリスクも高まりますし、個人的にはモチベーションの維持がとてもつらくなります・・・。低強度でも効果があると分かれば、こつこつやっていける気がしますよね!

次回、2つ目の筋力増大についてお話します★

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

加藤でした

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