- Blog記事一覧 -就学前の書字支援について
こんにちは。段々と寒い日が多くなりましたね。
11月も後半に差し掛かり、就学に向けて準備を進めていらっしゃるご家庭も多いと思います。
今回は、そんなお子様に書字について支援させて頂きましたので、そのお話をしたいと思います。
ご相談内容は、ひらがなの練習をしているけど指先の力が弱いのか、鉛筆の持ち方が気になるとのことです。
書字中の姿勢はよかったので、鉛筆の持ち方・書字中の指の動きに主に着目して評価を行いました。
早速、お子様に「の」を書いてもらいました。
鉛筆の持ち方ですが、親指・人差し指で作る「C字」が潰れています。
親指の根本で鉛筆を押さえているように見えます。
人差し指は第一関節が反っていますね。
(※右側に正しい持ち方の写真を提示しました。)
そこで、お子様が鉛筆を持ちやすく、書きやすくなる方法がないか、いろいろな物を試してみました。
まず、親指・人差し指・中指の「三指握り」がしやすいように「くもん」さんの三角鉛筆を試しました。
しかし、持ち方はあまり変わらず・・・。
ただ、ご本人は「人差し指がえんぴつにぴたっとするから力が入りやすい」とのことでした。
そこで、さらに持ちやすくなるように三角鉛筆+鉛筆ホルダーで試してみることにしました。
三角鉛筆+太めのペンホルダーです。
親指の位置がよくなり、三指握りに近い形になりましたね。
しかし、人差し指の反りがまだ気になります。
親指・人差し指に過剰に力が入っているようにも見えました。
こちらは、KUM®さんのSattler Gripを使用しています。
もう少し、人差し指を安定できないかと次に試したのが、トンボ鉛筆さんの「もちかたくん」です。
鉛筆の太さの関係で三角鉛筆にこの鉛筆ホルダーが入らなかったので、普通の鉛筆を使用しています。
幼稚園でもこのペンホルダーを使用して練習しているそうです。
一見、きれいな三指握りの持ち方をされていますが、いざ書字を行うと人差し指と親指の間で鉛筆がぐらぐらしていました。
手のひらの中の空間が大きくなり、鉛筆を安定させにくい印象です。
本人も「書きにくい・・・。」とのことでした。
やはり、ある程度しっかりと鉛筆を握っている感覚がした方が持ちやすい様子でした。
そこで最後に試したのが、三角鉛筆+「ダイソー」さんの鉛筆ホルダーです。
シリコン素材で指先がフィットしやすく、ペンホルダーには指の形に窪みがついており、指の位置を適切な場所にガイドしてくれます。
こちらを使用すると人差し指の第一関節の反りがなくなり、一番きれいな三指握りになりました。
指先にも適切な力が入っています。
書字の結果です。少し見にくいですが・・・。以下、書字中の指の動きの特徴です。
●左上の普通鉛筆は、「の」の書き始めが突き抜けています。書字中は鉛筆の先の細かい動きの調節が難しそうでした。
●左下の三角鉛筆は「の」の書き始めは突き抜けていませんが、まだまだ、指先の細かい動きと力加減の調整が不十分で、線がガタついています。
●ペンホルダー3つのうち、左下の「三角鉛筆+Sattler Gripのペンホルダー」は鉛筆はしっかり持てていましたが、書字中の人差し指が伸びる動きが不十分で「の」が平たくなりました。
●ペンホルダー3つのうち、一番上の「三角鉛筆+もちかたくん」は一見、きれいな「三指握り」で持てていましたが、書字中は鉛筆がぐらぐらするので徐々に指先に力が入り「の」を書くたびに段々と字が小さくなってしまいました。
●右下の「三角鉛筆+ダイソーさんのペンホルダー」は持ち方がきれいな「三指握り」になり書字中の指の動きもほとんど気になるところがありませんでした。
これらの結果から、書字を練習するときは「三角鉛筆+ダイソーさんのペンホルダー」を使用して頂くことになりました。
今後の練習の成果が楽しみです。
いかがでしたか?
鉛筆・ペンホルダーの形状を変えるだけでこんなにパフォーマンスが変わります。
今回、こちらのお子様には「三角鉛筆+ダイソーさんのペンホルダー」が合っていましたが、
他のお子様には別のペンホルダーや鉛筆が合うことも多々あります。
「これがいいので、これを使ってください」とみんな同じにするのではなく、それぞれのお子様に合うもの・方法を探すことが大切です。
「弘法筆を選ばず」なんて諺がありますが、
是非、使う物にはこだわってお子様にあったものを選んで頂きたいと思います。
長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
就学前には気になること、不安になることがたくさんあると思います。
ぜひ、お気軽にご相談くださいね。
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
加藤でした