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コミュニケーション | 越谷リハビリ だるまリハビリセンターの記事一覧
前回は発達障害をお持ちのお子様に対してのコミュニケーション発達の支援についてお話しました。
今回は身体障害をお持ちのお子様のコミュニケーション発達の支援についてお話したいと思います。
「共同注意」とは、他者と関心を共有する物事や話題へ、注意を向けるように行動を調整する能力(Bruner,1975)ことをいいます。
ただ見ているだけではなく、他者と視線と注意が共有されていることが大切になります。
「共同注意」は、乳児と養育者がある対象を同時に見る「共同注視」の機能が必要です。
【共同注視の発達のためのこどもへの支援】
①姿勢制御の話
常田(2007)は共同注視の質が、子供の姿勢制御能力の発達によって制約を受けること示唆しました。
下のグラフは常田の実験で、共同注視が成立した時のこどもの月年齢と対象物の位置関係を表しています。

こどもの首がすわる前の生後2か月ではこども―対象物ー母親の顔が一直線にならんでいた時にしか共同注視が成立しなかったことに対し、首がすわりだした生後3~4か月ではこどもの顔の前、座位を獲得しだす生後5か月~7カ月では体の前、座位が安定しずり這いやハイハイなど自己での移動が可能になってくる生後7か月~9カ月では背後の空間まで共同注視が成立しています。
姿勢制御の発達に伴い、共同注視が可能な範囲が拡大していくことがわかります。
特に座位を獲得しだす生後5月~7か月の変化が著明ですね。
生後5月~7か月ごろの大きな姿勢制御の変化として体幹が安定し、姿勢の保持に使われていた上肢が支持の役割から解放され、おもちゃへ積極的にリーチを行うようになります。
つまり能動的に周囲に働きかけていくようになります。
私は共同注視の範囲拡大にあたり「座位の獲得」よりも、この「能動的に周囲に働きかけるようになる」という部分が重要だと考えています。
リハビリ場面でも、座位を獲得しているお子様であっても、よく使う方の手の空間(例えば、右手の方がよく使う場合、右側の空間)には注意が向きますが、ほとんど使っていない方の手の空間には注意が向きにくく、声掛けをしながらおもちゃを提示しても共同注意が成立しにくいといった場面によく出くわします。
吉川(2018)の重症心身障がい児の研究で大変興味深い研究がありましたので、ご紹介したいと思います。
痙直型四肢麻痺の10歳のお子様に対し、支持座位でリーチ課題を行いました。

こちらのお子様は普段は右手を使用されることが多いようです。
B8の位置へのリーチは、提示物に自発的に気づくことができずに、目前に物を提示し配置しなおした上でリーチの促しが必要だったそうです。
しかし、B8へのリーチ課題を5回実施した後は、提示者の視線のみで提示物に気付くことができ、共同注視も確認されるようになったとのことでした。
このことから吉田(2018)は「視覚的注意の配分は、手の使用頻度と関係して空間的広がりをもつと推測された」と述べています。
この研究は1症例のみの研究ではありますが、普段の臨床でもこのようなことはよく体験します。
胎児期や出生後まもなくの時期など、早期に重篤な脳の障害を受けたお子様は心身機能に重複した障害が見られます。その結果、刺激を受容する感覚や周りの環境へ能動的に働きかける行動が難しくなります。
お子様が能動的に活動できるように体幹・上肢機能の向上、起居動作の獲得はもちろん、座位保持や歩行器・起立台など上手く福祉機器を使いながら、お子様が能動的に活動できる手助けが大切です。
お子様の能動的な活動を支援する際に大切にして頂きたいことがもう一つあります。それは「待つこと」です。
上に記載したように運動の難しさに加えて、感覚や刺激の受容・処理にも難しさを抱えておられるお子様は、感覚の受容・処理に時間がかかり、運動の開始が遅れることがあります。
お子様の運動が開始される前に大人が手伝ってしまうとお子様が能動的に活動するチャンスが少なくなってしまいます。
お子様の様子を見ていると手伝いたくなってしまうこともあるかも知れませんが、そこはぐっとこらえて、是非「待つこと」と意識してみてください。
②注意と覚醒
注意機能を発揮するには、適切な覚醒レベルであることが大前提となります。
覚醒が低くても、高すぎても(興奮状態・泣き叫んでいる等)周囲への注意が向けにくくなります。
お子様が穏やかにすごしている覚醒レベルが理想です。お子様とのかかわりの中で、覚醒水準の調整は必須です。
部屋は明るい方がいいか・うす暗い方がいいか
部屋は広い方がいいか・ある程度狭い方が落ち着くか
部屋は静かなほうがいいか・ある程度生活音があるほうがいいか
多くの方がすでにされていることと思いますが、対象のお子様がリラックスできる環境をぜひ探してあげて下さい。
③視覚の話
共同注意の発達の為に提示するおもちゃの工夫も大切です。
特に脳性麻痺児は、近視・遠視・乱視・斜視・立体視ができない・微細なサッケード運動の難しさ等、80%は何らかの視覚的な障害をきたす(Kozeie 2007,2008)と言われています。
児にとって、少しでも見やすいおもちゃを用意することが大事になることも多いです。
色の識別の発達としては、赤と緑、黄色と緑の区別は2か月で可能となり、これらは比較的見やすい色になります。
縞模様も見やすく、48カ月には大人の縞視力の水準に到達すると言われています。
青を処理する網膜の錐体細胞の発育は遅く、黄緑と紫の区別は4か月でも難しいそうなので、提示するおもちゃは、赤・緑・黄色、縦縞などが見やすいと思います。
信号機と同じ色ですね!
また、可能でしたら是非お子様の眼球運動の評価を行ってあげて下さい。
背臥位や座位、立位それぞれの姿勢で、お子様の頭が動かないように安定させた状態で、眼球だけで上下左右同じ範囲を動かせるか、おもちゃを遠くから近づけて両目が均一に近づくか(輻輳[ふくそう]と言います)、おもちゃを左右や上下に一つずつ提示し、素早く視線を動かせるか等、確認してあげて下さい。
お子様によって、眼球運動がしやすい姿勢が違いますし、どの位置であればおもちゃが見やすいかを確認しましょう。
そして、見やすい位置からおもちゃを提示し、おもちゃと養護者の顔を交互に注視しやすいように関わってあげて下さい。徐々に苦手な方の空間にも視線が向けられるようにチャレンジして頂ければと思います。
リハビリをしていて、お子様が座ったり、立ったり、手が使えるようになることはとても嬉しいことです。
でも、それ以上に嬉しいのは、お子様と家族様が笑いあって楽しそうに過ごされている場面に出会えることです。
微力ながら、そんな場面を多く持てるようなお手伝いができたらと改めて思います。
かなり長くなってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。加藤でした★
【参考文献】
1,常田美穂(2007)乳児期の共同注意の発達における母親の支援的行動の役割. 発達心理学研究 第18巻 第2号 97‐108
2,吉川 一義(2018)重症心身障害児の空間への視覚的注意と姿勢・運動調整の関係. 特殊教育学研究 55(5)249-257
3,児山隆史・樋口和彦・三島修治(2015)乳児の共同注意関連行動の発達-二項関係から三項関係への移行プロセスに着目して―. 教育臨床研究 14 2015研究.P99-109
4.大藪泰(2020)共同注意の発達-情動・認知・関係. 新曜社
5. 浅野大喜(2012)リハビリテーションのための発達科学入門. 株式会社協同医書出版社
6. 2013 ボバース基礎講習会資料
今回は発達障害をお持ちのお子様に対してのコミュニケーション発達の支援について、「共同注意」「三項関係」に着目してお話ししたいと思います。
こどものコミュニケーションの発達において、「共同注意」「三項関係」の発達が重要になります。
「共同注意」とは、他者と関心を共有する物事や話題へ、注意を向けるように行動を調整する能力(Bruner,1975)のことをいいます。
ただ見ているだけではなく、視線と注意が他者と共有されていることが大切になります。
下のような写真の状態ですね。

注意を共有できることがコミュニケーションや、やり取りの基盤となります。
・共同注意の発達
乳児は、生後2か月ごろ以降になると対面者の目元や口元に注意を向け、あやすと笑うといった「社会的微笑」が認められるようになります。「こども―他者」の二項関係の始まりです。
生後5か月には意図的におもちゃや物にリーチを行うようになり、「こども―物(玩具など)」の二項関係が積極的になります。
共同注意は「こども―他者」「こども―物(玩具など)」の二項関係から、「こども―物-他者」という三項関係のやりとりを行うようになり発達します。(生後9カ月~10カ月ごろ)
「三項関係」へ発達すると、おもちゃや物を使って他者とのやり取りやあそびができるようになります。

・二項関係から三項関係関係にどうやって発達していくか?
児山ら(2015)は「二項関係から三項関係への移行には「交互注視」が重要な役割を果たしている」と述べています。
「交互注視」とは他者と対象物とに視線を切り替えることをいいます。
この時に他者の情動表出を見て、他者の物に関わる意図をくみ取るようになります(塚田2001)。
この「交互注視」によって、「他者意図の理解」が発達していきます。
「他者意図の理解」例:大人が手を差し出すと「おもちゃを渡してほしい」という大人(他者)の意図を理解し、おもちゃを手渡すことができる
自閉症スペクトラムなどの発達障害をおもちのお子様は、この三項関係への移行が難しいことがままあります。
三項関係の発達が生後10カ月ごろであることから「10カ月の壁」と呼んだりしています。
注意の機能はズームレンズやスポットライトに例えられる仮説があります。(ズームレンズ説、スポットライト説)
発達障害をお持ちのお子様は、注意のピントを合わせにくかったり、逆にピントが過剰に合いすぎて他のものにピントを移動させることが難しいことがあります。
このような注意機能の問題が関与して、「交互注視」が難しく、三項関係への移行が不十分になっている様子が見受けられます。
そのような場合はお子様の普段の様子を観察し、
①そもそもの注意のピントが合いにくいのか
②注意が持続しないのか
③一度ピントがあった注意を解放しにくいのか
を評価してみて下さい。
①②の場合は、おもちゃに注意が向けやすいように、静かな片付いた部屋でおもちゃ以外の注意を引くものを減らす。
その上でおもちゃの形状・色・音が鳴るものなど、注意を引きやすいおもちゃで遊ぶ。
養育者はこどもの注意を引く際に、声掛けだけでなく軽く肩などを叩いて 声掛け+体性感覚 といった多重な感覚を入力する。
このように注意のピントが合わせやすいように 環境・提示物・関わり方の工夫をしてあげて下さい。
③の場合は、こどもの注意をこちらに向けようとしてもほとんどがうまくいきません。そもそも注意が解放しにくいわけですから・・・。
そのような場合は、無理にこどもの注意をこちらに向けさせようとするのではなく、こどもが注意を向けているものに養育者が注意を「合わせ」てあげて下さい。
常田(2007)は、「共同注意では、乳児と養育者がある対象を同時に見るだけでなく、視線の動きや表情・発声を用いてその対象にまつわる情動的メッセージを相手に伝えている」と述べています。
こどもとのやり取りの中で、ただ単におもちゃを見せるのではなく、表情を大きく動かしり、声の調子を明るくしたり、変化をつけながらこどもに伝わりやすいように関わると、より「他者意図の理解」がしやすくなります。
コミュニケーションは急にできるようになるものではなく、毎日の積み重ねです。
たくさん記載しましたが、こどもと養育者が楽しい時間を過ごすことが一番のコミュニケーション発達の支援になると日々のリハビリで感じています。
上手くいかないことも勿論あるかと思いますが、できたかどうかだけにとらわれずに、お子様と養育者様の楽しい気持ちを大切にしてほしいです。
今回は発達障害をお持ちのお子様に対してのコミュニケーション発達の支援についてお話しました。
次回は身体障害をお持ちのお子様のコミュニケーション発達の支援についてお話したいと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
加藤でした★
【参考文献】
1,児山隆史・樋口和彦・三島修治(2015)乳児の共同注意関連行動の発達-二項関係から三項関係への移行プロセスに着目して―. 教育臨床研究 14 2015研究. 99-109
2,常田美穂(2007)乳児期の共同注意の発達における母親の支援的行動の役割. 発達心理学研究 第18巻 第2号 97‐108
3,大藪泰(2020)共同注意の発達-情動・認知・関係. 新曜社
4.浅野大喜(2012)リハビリテーションのための発達科学入門. 株式会社協同医書出版社
5.J・Ⅿフィンドレイ、IDギルクリスト(2006)アクティヴ・ビジョンー眼球運動学の心理・神経科学- (株)北大路書房
少しずつ涼しくなってきましたが、皆様体調はいかがでしょうか?
前回から少し間が空いてしまいましたが、引き続きコミュニケーションについてお話させていただきます。
コミュニケーションの発達のところでは、アイコンタクトをしっかりと取ることで、信頼関係の形成とコミュニケーションを取りたいと思うモチベーションを育てることが大切であると話しました。
また、「立つ」など動作を表すことばは実際の動作を行いながら声掛けを。
数や大きさなど概念的なことばは視覚情報だけでなく、重さを感じさせながらなど、身体の感覚も一緒に使いながら覚えられるように働きかけを工夫するといいですよという話をさせていただきました。
しかし、ことばを「理解」できていても「話す」ことに難しさを抱えている方はたくさんいらっしゃいます。
そこでお子様とのコミュニケーションに役立ちそうなアプリやサイトをいくつか見つけましたので、ご紹介させていただきます。
えこみゅ(※サイトはこちら)
こちらはLITALICOさんが出しているアプリで、表示される絵カードに音声がついています。
また、お好きな写真に音声を録音することもできます。

このように絵カードが表示されますので、お子様は絵にタップするだけ!私もスマートフォンにアプリを入れてみましたが、なかなか使いやすそうです。
ただ、スマートフォンですと画面が小さいのでお子様によってはタップしにくい方もいらっしゃると思います。
iPadなどのタブレットをお持ちの方は、そちらの方が使いやすいかと思います。
絵カードをよくコミュニケーションツールとして使われるお子様におススメのサイトが・・・。
絵カードメーカー(※サイトはこちら)
スマートフォン・パソコンで、イラストやスマホ内の写真を使って絵カードを作ることができます。

写真と表題をつけるとこんな感じになります。お子様にもわかりやすそうですよね✨
あとはプリントアウトしてチョキチョキ切るだけ!
こちらのサイトでは自閉症スペクトラムのお子様向けと記載されていますが、コミュニケーションに難しさを抱えていらっしゃる様々なお子様に使うことができると思います。
アプリの操作とか自分で作るのは苦手!という方(私もです・・・。)には
小児STナビ(※サイトはこちら)
●とにかく「はい」「いいえ」がわかりやすいです。見やすい50音表もあります。
やんちゃワーク(※サイトはこちら)
●お子様が自分の感情を相手に伝えるツールとして使いやすいです。
操作は簡単!
ダウンロード→プリントアウト 2工程のみです!・・・最高!
やんちゃワークさんはプリントワークもたくさん取り扱っていらっしゃいます。
お子様とのリハビリを通した関わりの中で、お子様のことばの「理解」と「表出」に大きな差を感じることは少なくありません。
お子様の心の中にはたくさんのことばが溢れているのに、お子様は伝えるすべがない・・・。
そんなお子様の力になれたら、と思わない日はありません。
今回紹介させていただいたアプリやサイトは氷山の一角です。
是非、いろいろと試していただいてお子様、ご家族様、先生方が使いやすい物を探してください。
そしていいツールがありましたら、私にも教えてください★
またまた長文になってしまいした汗
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
加藤でした
今回も、言葉・コミュニケーションの発達と支援についてお話したいと思います。
前回は、話すことができるようになるためには、「ことば」の基盤となる社会性・認知機能の発達が重要となり、両親・療育者とのアイコンタクトや声掛けが相互の信頼関係を形成し、他者とコミュニケーションが取りたいという動機が生まれるという話をさせていただきました。
今回は、【認知機能】についての続きです。
認知機能とは、視覚や聴覚等の知覚を通じて外界から得た情報を基に、周囲や自分の状況を認識して適切に行動する能力のことです。
ことばを話す前段階では、見る・聞く・触ることでものごとを認識していくようになります。
身の回りの物やおもちゃなど、手に触れたものを握る・手に触れた物を口に運ぶ・遊ぶことで、だんだんと物の使い方を理解し、物を用途や目的によって分別するようになります。
このような経験を通して得られる物の知覚に関する情報のおかげで、物に対してだけでなく、様々な特徴に対してもラベルを結びつけることができるようになります。(象徴機能といいます)
具体的には、大きいスプーン、小さいスプーン、木製のスプーン、金属製のスプーン、おもちゃのスプーンなど、素材や大きさ、わずかな形状の違いがあっても、すべて同じ目的の「食べること」のために使うことができるということを理解できるようになります。
また、手を振る行為が「バイバイ」など、動作とことばを結びつけることができるようになります。
しかし、脳性麻痺のお子様は弱視や斜視、眼球運動の難しさなどの影響で視知覚に問題を抱えていることが少なくありません。
ですから、視覚情報だけではことばと結びつきにくいことがあります。
そのようなお子様は動作とことばを結びつける際に、「立つ」といいながら立たせてあげる、「座る」といいながら座らせてあげるといったように、視覚だけでなく実際の動きとことばを連動させてあげると理解しやすくなります。
また、「大きい・小さい」「たくさん・少ない」等、概念的なことばも視知覚に難しさがあると理解しにくいので、大きいボールを触らせながら「大きい」、小さいボールを触らせながら「小さい」と声掛けをしてあげる
袋を持たせて袋の中に1つの2.3個のビー玉を入れて「少ない」10個のビー玉を入れて「多い」と声掛けをして重さで量の違いがわかるようにする、あるいは袋を振って音の違いで量の多さを教えてあげるのもいいと思います。
このように視覚だけでなく聴覚や体性感覚など、様々な感覚を使いながら声掛けをしてあげると概念的なことば理解しやすくなります。
是非、それぞれのお子様が得意な感覚を利用して、ことばの理解の手助けをしてあげて下さい。
またまた長くなりましたので、このあたりで一度区切りたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
加藤でした
脳性麻痺のお子様について、運動機能・摂食に次いで、言葉やコミュニケーションの発達のご相談をよくお受けします。
今日は、言葉・コミュニケーションの発達と支援についてお話したいと思います。
我々大人は、どうしても「言葉が話せるかどうか」に目を向けがちですが、まずは「ことば」の基盤となる社会性・認知機能の発達が重要となります。
【社会性の発達】
子どもは生まれながらに人への志向性を持って生まれてきます。
下の図は赤ちゃんの視線を現したものです。
左が生後一か月の赤ちゃんの視線の動きです。目や顔の輪郭に注意を向けています。
右は生後二か月頃の視線の動きです。このころになると、相手の目や口元に注意を向けるようになり、あやすと笑う、声を掛けると声を出して答えるといった反応を返すようになります。
このような人との相互作用によって人との信頼関係が形成され、他者とコミュニケーションが取りたいという動機が生まれてきます。
お互いのアイコンタクトは「ことば」の発達の第一歩です。
しかし、脳性麻痺のお子様は視線をむける、つまり眼球運動に対して難しさを抱えているお子様が少なくありません。
ご両親や療育者の方は、是非、座位保持装置を使用したり、首や頭が安定するように抱っこをしてあげて下さい。
首や頭を安定させてあげるだけで、眼球運動がとてもスムーズに行いやすくなります。
次に、お子様が口の動きを捉えやすいようにゆっくりと大きな口の動きで話しかけてあげて下さい。
中には、首や頭を安定させても目が合いにくいお子様もいらっしゃると思います。
視線が合っていなくても、実は視界の端っこ(周辺視といいます)で相手の顔を見ていることがあります。
ですから、目線が合っていなくてもお子様から両親・療育者のお顔が見えるように関わってあげて下さい。
【認知機能の発達】
認知機能とは、視覚や聴覚等の知覚を通じて外界から得た情報を基に、周囲や自分の状況を認識して適切に行動する能力のことです。
ことばを話す前段階では、見る・聞く・触ることでものごとを認識していくようになります。
ですから、お子様に働きかける際にはアイコンタクトと共に両親や療育者など相手の「声を聴かせること」が大切になります。
実は赤ちゃんは在胎20週目で内耳が完全に発達しています。
生後数日の赤ちゃんでも他の声より母親の声を聴くことを好み、母親と他の女性を区別しているという研究データがあります。
声を聴き、顔を繰り返し見ることで、母親と他者・家族と他者・よく関わってくれる療育者と他者といった区別がつき、自分の周りの人間関係の形成の理解、そして信頼関係の形成につながります。このようにして発達し6か月ごろで人見知りがはじまります。
人見知りは、普段慣れ親しんでいる人とそうでない人がわかっている証です。
たくさん声を掛けられること・様々な音を聞くことで、耳の位置から左右や上下に音を正確に位置づける能力が発達し、声を掛けられたらその方向に振り向くということが可能となります。
コミュニケーションを取る上でとっても大切な能力ですね。
お子様の中には、気が散りやすい方もいらっしゃるので、まずはあまり騒がしくない環境がよいでしょう。
そして、間を延ばした話し言葉に興味を示しやすいので、やはりゆっくりと話し掛けることが大切です。
まだまだお伝えしたいことがありますが、少し長くなりましたので、一度ここで区切りたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
加藤でした