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こんにちは!
先日、東京ビックサイトで開催されている 第50回 国際福祉機器展&フォーラムに行ってまいりました!
リアル展示の開催は2023年 9月27日~29日まで
Web展は2023年8月28日~10月30日まで開催されているそうです。
出展社は8月1日の時点でなんと380社!
国際とあって、私が見学させていただいた中でも、日本の企業はもちろん、ドイツ・韓国・中国・台湾とさまざまな国の企業が参加しておられました。
展示内容は高齢者、障害者(児)の日常生活の自立促進と社会参加のための福祉機器、リハビリテーション機器や介護機器・用品などです。
展示物の写真撮影は禁止でしたので、実物の写真はありませんが、いくつか印象に残った物をパンフレットの写真とともに紹介したいと思います。
一つ目はこちら!
Todo W0rks Corp.さんの[to do]-Driveです
パンフレットの右上のパワーアシストキットを、今使用している車いすに取り付けることで電動車いすとして使用できるというものです。
パワーアシストキットの総量はなんと5Kg!折り畳みの車いすにも取り付け可能で、キットをつけたまま車いすを折りたたむことができます。電動車いすは重いものが多いので、驚きの軽さですよね。
しかもユニバーサルデザインで、子供用車いす~大人用車いすまで対応しているそうです。
特に驚きだったのが、なんと専用のアプリをダウンロードすると、スマートフォンから車いすが操作できるという点です。
ベッドいても遠くに置いてある車いすをスマホ1つで近くに車いすを寄せることができる・・・。技術はどんどん進歩していますね。
こちらのパワーアシストキットは2023年9月28日に日本でも発売を開始したばかりで、まだ介護保険の対象にはなっていないそうです。(Todo W0rks Corp.さんは韓国の企業だそうです)
しかし、「おそらく介護保険の対象となっていくでしょう」と企業の方が力強くおっしゃっていました。
私も試乗させて頂きましたが、操作性もシンプルで手動・電動の切り替えも行いやすく、細かい方向転換も非常にスムーズで純粋に「めっちゃいいやん!」と思いました。
早く介護保険対応になってほしいです。
Todo W0rks Corp.さんのホームページはこちら
ご紹介する二つ目は、hitolaboさんの「マーブルクッション」です。
こちらはポジショニング用のクッションです。
中の素材は綿ではなく、PPビーズとストローカットフィルが使われているそうです。
私も臨床でたくさんのポジショニング経験があるのですが、ポジショニングしてすぐは患者さんの姿勢が安定していても、時間の経過とともに、クッションに体が沈んでしまったり、ギャッジアップ+ポジショニングを行うと、中の綿が徐々に依れて患者さんの身体が少し滑っていくといった困り事がたくさんありました。
このクッションの凄いところは、ビーズ材とパイプカットフィルが中材なので、ふわふわとした不安定さがなく、しっかりと支えられている感覚がするところです。
私も実際にクッションを使ってスタッフの方にポジショニングしていただきました。
お試し前は硬さがあって大丈夫?痛くない?と思いましたが、実際に使用してみると体が安定することで余分な力が抜けてとてもリラックスすることができました。
体との接地面積も広く、分圧もしっかりされるので、痛み・しんどさを全く感じませんでした。
ポジショニング中の写真を掲載できなくてとっても残念なのですが、本当にきれいに体にフィットするクッションでした。
こちらの商品は介護保険適応でレンタルもされているそうです。
デモでの貸し出しもされているそうなので、ポジショニングでお困りの方は、お試しの価値ありです!
hitolaboさんのホームページはこちら
まだまだご紹介したいものはたくさんありますが、とんでもない量になるのでここまでにしたいと思います。
上にも記載いたしましたが国際福祉機器展Web展は2023年8月28日~10月30日まで開催されているので、興味のある方は是非是非覗いてみてくださいね!
第50回 国際福祉機器展 Web展のホームページはこちら
これからも、いろいろな情報を集めて少しでも利用者様のお力になれるよう、精進したいと思います!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
加藤でした★
いつも「だるまリハビリセンター」をご利用いただき、ありがとうございます。
この度、当センターは2023年10月10日(火)に以下の場所へ移転することとなりました。
皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが
今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い致します。
新店舗外観です。画像が荒くて申し訳ありません汗
【新店舗住所】
〒343-0841
埼玉県越谷市蒲生東町15‐12 カンティレーナ1階
店舗横と玄関隣に駐車スペースがあり、2台駐車できます。
新店舗は県道115号(産業道路沿い)にあり、交通量が多いため駐車の際には十分お気をつけください。
タクシーの方はなどは、店舗裏までまわって頂いたほうが、ゆっくりと乗車・降車ができるかと思います。
ご不便をおかけし、申し訳ありません。
【電話番号】070-4356-7335
【新店舗アクセス】
電車の方
武蔵野線 南越谷駅 あるいは 東武伊勢崎線 新越谷駅降車後、
バスを利用し、南越谷駅南口発 ひのき荘・越谷南体育館行 蒲生公園入口降車 徒歩五分
これからもどうぞよろしくお願い致します!
まだまだ暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか?
子どもたちの夏休みも終わり、もう9月ですがなかなか涼しくなりませんね・・・。
早く過ごしやすくなってほしいものです。
2カ月ほど、ブログで難しい話が続きましたので今日はライトなお話をしたいと思います!
ここ最近、当センターでは新しいおもちゃを入荷したのですが、
その中で特にお子様に人気だった当センターでのヒットおもちゃを紹介したいと思います。
1つ目はダイソーさんの「ポップチューブ」です。
私が購入したものは、4本入りで110円でした。
写真のように蛇腹状になっているチューブです。
のばすと・・・。
倍以上の長さになります。
伸ばすときの「ぽきぽきぽき」という音と感触が面白いようでみなさん夢中になって遊んでくれます。
感覚遊びが好きなお子様で、両手での活動を促したいときにこのおもちゃを使っています。
把持が苦手なお子様は、上の写真のように少しだけチューブを延ばして使用しています。
蛇腹の溝が指にフィットしやすく、凹凸によって手掌にも表在感覚・固有覚が入力されるので、把持がしやすくなります。
このおもちゃは繋げたり、形を変えることができます。
感覚遊びが好きで、なかなか次の段階に遊びが移行しにくいお子様に
このおもちゃを導入すると、感覚遊びの中にも構成的な要素を含んだ遊びに展開できるので、とても重宝しています。
2つ目は、ダイソーさんの「押すと鳴く鶏」です。
他のお店では「びっくりチキン」や「叫ぶチキン」という商品名で販売されています。
見て下さい。触らずにはいられないこのフォルム・・・。
表面のこの「鳥肌」のぼこぼこが指先に引っかかりやすいのか、把持力が弱いお子様でも持ちやすいようです。首や足は、持ちやすい太さでしっかりと握る練習ができます。
胴体の部分は下の写真のように分厚くなっているので・・・。
指を伸ばした状態で、親指とそれ以外の4指で押しつぶすという手のひらの筋肉を使った握り方(手内握りといいます)の練習ができます。この握り方ができると今後のハサミや書字、スプーンといった巧緻的な道具操作が行いやすくなるので、とてもよい手・手指の練習になります。
しっかり握ることができると大きな音がなるので、成功しているかがお子様にもわかりやすいのがとても気に入っています。
できないこと・苦手なことを練習するのは、大人でも忍耐力が必要ですよね。
ですから、お子様には遊びを通してリハビリを行い、遊んでいる中で「やってみよう!」「挑戦してみよう!」と前向きに取り組めるような環境・遊び・声掛け・道具やおもちゃを設定するように心掛けています。
これからもお子様が楽しめて、リハビリに役立ち立ちそうなおもちゃや道具を探していきたいと思います!
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
加藤でした★
前回の投稿から、少し期間が開いてしまいました。
暑い日が続きますが、体調は崩されていませんか?
早く涼しくなってくれるといいのですが・・・。
今回は運動学習シリーズ③として、運動学習の学習効果を持ち越すために大切なことについてお話出来ればと思います。
【学習効果Carry-Over(持ち越し)のために】
①学習の転移
学習の転移とは、以前の練習や別の課題の経験の結果が能動的または否定的に影響することをいいます。
例:ベッド⇔車いすの移乗の運動を学習した結果、車いす⇔トイレの移乗も可能になる
SchmidtとLee(2005)は「学習の転移の量は課題や環境の類似性に依存している。つまり、治療の環境が実際の環境により類似するほど転移はよりよく起こる。」と述べています。
リハビリで「できること」が自宅で発揮できないなんて経験をしたことはありませんか?
リハビリで「できること」を自宅で「していること」にするために、自宅や職場環境などの詳細な情報収集を行い、できるだけ目標とする課題を遂行する時と近い環境を設定し、練習することが大切です。
②学習の定着
運動学習の定着は24時間後に再学習したほうがより完全になるとKrakauer & Shadmehr(2006)は述べています。
回復期の病院を退院した後は、ほとんどの方が毎日リハビリを受けることは難しくなり、「24時間後に」というのはなかなか達成しにくい状況になりますよね。そこで大切なのが、自主練習です。リハビリがない日は是非、無理のない範囲で自主トレを行ってみて下さい。
生活のスケジュールの都合で、自主トレもあまりできないという方もいらっしゃるかと思います。
そんな時は、イメージトレーニングをお勧めします。
運動の想像時には、補足運動野、運動前野、一次運動野といった脳の運動関連領野の興奮性が増加することが報告されています。 (Sharma et al.2006)
もちろん、一番効果的なのは実際に身体を動かす練習ですが、イメージトレーニングは身体的練習が行えない間の学習を高めることができます。
そして、運動学習の定着に外せないのが、睡眠です。
Stickgold R(2005 )は睡眠が記憶の向上に積極的な役割を果たし、特に運動スキルの記憶が睡眠によって固定すると述べています。運動学習の為、良質な睡眠は不可欠です。
是非、生活リズムや就寝環境(ベッドのマットレス、枕、クッション等)を整えて自分にとって快適な睡眠が取れるように工夫して頂ければと思います。
①から③まであった運動学習についてシリーズですが、今回で一区切りにしたいと思います。
長い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました!
加藤でした!
【参考文献】
1)久保田 競:学習と脳-器用さを獲得する脳-. サイエンス社. 2007
2)Anne shumway-cook Marjorie H.Woollacott 監訳 田中繁 蜂須賀研二:モーターコントロール 研究室から臨床実践へ 原著第5版. 医歯薬出版株式会社. 2020
3)森岡周:リハビリテーションのための脳・神経科学入門. 共同医書出版社. 2010
4)道免和久:運動学習から考察するリハビリテーション臨床. Jpn J Rehabil Med Vol.56 No.5 2019. P391-397
前回は脳卒中運動学習について①ということで、小脳による誤差学習と中脳ドーパミンによる強化学習についてお話しました。
今回は運動学習について、3つの段階の段階があること、それぞれの段階で重要なこと、我々セラピストが臨床でどのような工夫をおこなっているかについてお話したいと思います。
【運動学習の3つの段階】
運動が自動化、つまり無意識的に運動が行えるまでに3つの段階があり、学習の段階によって脳の活動する場所が変化していきます。
①の認知段階は、「試行錯誤」を行っている段階で小脳の誤差学習が強く、感覚への気づきがとても重要です。
この段階の重大な条件は正しい運動指令と運動に関連する感覚の正しい関係の成立となります。
その為、我々セラピストは、利用者様の運動時、あるいは運動前に適切な感覚が入力されるように、筋肉の位置や硬さ・長さを準備し、運動時の関節の運動方向、姿勢コントロール、座面や床と利用者様の重心位置など、様々なことに徒手的に介入し、適切な感覚情報が入力されるように促しています。
写真1 適切な運動のタイミングで筋が活動するように、利用者様の弱い筋肉をセラピストが把持し、筋肉へ固有感覚を入力している
正しい運動の際に学習者は正しい感覚情報に注意を向けることが大切なのですが、転倒に対する恐怖心や非麻痺側での代償的な過活動、痛みによる防御反応などがあると、運動中に感覚情報に注意を向けることが難しくなります。(そもそもこれらのことがあると正しい運動も難しいですが・・・)
その為
◆目標とする課題の難易度を調節
◆転倒の恐怖心をなくすために利用者様の近くにテーブルや手すりを用意するなどの環境設定
(※利用者様によっては近くに掴まるところがあると非麻痺側の過剰な活動が強まる方もいらっしゃるので、その場合はあえて台などを近くにおかないなど、利用者様の特性を評価した上で環境設定を行っています)
◆セラピストによる軽度の接触で恐怖心を軽減するなど、
感覚情報に注意が向くように工夫しています。
そして利用者様は学習課題を理解・意識し、正しい運動を選択して実行する必要があります。
その際に適切なフィードバックが与えられれば、その中の必要な情報は繰り返されることで学習されていきます。②連合段階にあたります。
最終的な目標は運動の自動化ですので、運動の習熟に従って徐々にセラピストの介入量を減らし、利用者様が自分一人で運動ができるように段階付けを行っています。
③自動段階で重要なことは、運動に「過度な注意を必要としないこと」です。
セラピストの声掛けによって、運動中に過度な注意を求めると本末転倒になってしまいます。
声掛けで意識を促すのか感覚情報で無意識的な姿勢・運動コントロールを促すのか、運動学習の習熟度や課題の内容によって見極める必要があります。
【まとめ】
・運動学習には①認知段階②連合段階③自動段階の3つの段階がある
・学習の初期段階は正しい運動の指令と適切な感覚情報の入力が重要で、適切な感覚情報が繰り返されることで運動学習が進む
・学習者は感覚情報に注意を向ける必要がある
・学習者は正しい運動を選択するために課題を理解・意識する必要がある
・「過度な注意を要求」しないで運動が行える神経の基礎を作ることがセラピストの目標である。
長くなってしまいましたので、ここで一区切りにしたいと思います。
次回は、運動学習の定着についてお話できればと思います。
加藤でした。
【参考文献】
1)久保田 競:学習と脳-器用さを獲得する脳-. サイエンス社. 2007
2)Anne shumway-cook Marjorie H.Woollacott 監訳 田中繁 蜂須賀研二:モーターコントロール 研究室から臨床実践へ 原著第5版. 医歯薬出版株式会社. 2020
3)森岡周:リハビリテーションのための脳・神経科学入門. 共同医書出版社. 2010